浮遊するAIR BUBBLE

はい。はい。2010年一発目のMaltine Records主催イベント「AIR BUBBLE」を1月30日に開催するわけですが、ここでその宣伝はしません。何故ならばもう箱に物理的に入る人数ギリギリが予約をしているからであります。来れる方はお楽しみ下さい。なのでここではこの「AIR BUBBLE」というイベントタイトルについてお話します。これは、09年の3月にイベント名をTwitterで募集した機会があるのですが、そこで三毛猫ホームレスの@hironicaさんが考えた名前です。いくつかTL上でイベント名が出ていて、8月に行われた帰り際モラトリアムもそこで@imoutoidが発言した物を流用。@hironicaさんの「エアバブル」はその段階で帰り際モラトリアムに続いて次点に素敵な名前(僕基準)でした。しかし、今になって考えてみるとこの「AIR BUBBLE」というイベントタイトルはとても面白い。Maltine Records主催イベントでは、毎回イベント名を変えてやっているのですが、これは毎回名前を変えてやることで新たなコンセプトの元イベントを1から構成できるのと、ウェブ上で毎回1つの新しい意味が付けられた名前が氾濫していくのを観測するのが楽しいからという理由があります。「AIR BUBBLE」というイベント名にはどんな意味が付けられていくのか。郊外都市の24時間四日市さんがこのような分析をしているわけですが…。

air bubble はエアギター、エア土下座と同じノリのエアバブルであって Maltine Records の現状に対する客観的目線からの批評的命名であると同時にエアであるから実体が弾けることはないという宣言でもある、と言ったらそんな冷静でもないだろ、と冷ややかに突っ込まれた。
― ykic 四日市

これはとても鋭い意見です(そういうことにします)。より一層踏み込むと、Maltine Recordsの流通形態であるインターネットレーベルというものそのもの本質を捉えています。インターネットレーベルというのは、普通のCD販売の形態をとるレーベルと比較すると完全なるエアレーベルです。80分以上の音楽ですら流通させることのできるインターネットで、ある程度の曲数を決めて、ジャケットもつけて、ライナノーツめいた文章を少し付ける。これこそもはやエアレーベル的行為なのです。そんなエア的行為がネットワークを介して、物理的無制限に膨れ上がることつまりエアバブルこそインターネットレーベルの本質であります。
ですが、イベントという出来事は、本質的にはエアではやってられません。だから箱のキャパシティーによって入れない客が出てしまうという羽目になっちゃってるわけです。エアイベントはUstreamに任せます。
インターネットレーベルは実体の見えない、脳と脳の間の1つの中継地点ですが、それを現実空間にどう展開するかという試みは日常で実体が見えにくインターネットレーベルだからこそ、それが現実に急激な力を伴って浮かび上がってくる瞬間に引かれます。引かれるというかだからこそ毎回狂った事が起こりえるわけです…。まさにエアバブリー。
そんな事を楽しみたいからこそ、これからもMaltine Records主催イベントを続けていきますよ!ご期待下さい!