サウンドデモはデモ

僕らは多分、「正当性」よりも「身体と領域の自由」が欲しいんだ。〜サウンド・デモの政治性〜(長いよ)

サウンドデモのベースが野外レイブにあることは今の日本の状態を見ると納得しかねない。
海外のことは分からないけどhttp://wave.ap.teacup.com/ravedemo/に日本で行われてきたサウンドデモの情報が載ってるのだけれどもそれを見るとやっぱり日本のサウンドデモはデモの粋を出ていないと思うんだよね。サウンド・デモはプラカードを掲げている時点でそれはデモに注目してもらう為に音楽が付属品として付いてきた物であるはずだし。外から見るとそういう風に見えちゃうしで。そうなると無論ベースはデモに違いないし。本当にサウンド・デモのベースが野外レイブにあると言うならそれは音楽中心主義になって何もプラカードを掲げなくなった状態からだと思う。
でもね、家賃をタダにしろ!とか無意味なサウンド・デモが出てくるってことは嬉しいことにその状態にじょじょに近づいているのかもね。

テクニバル!!!

本当に野外レイブがベースで政治意識を前面に出さない社会運動はやっぱりTeknivalだろうと思う。イエロープレスで CzechTek 2005 DEATH ON MUSIC FESTIVALに詳しく書いたんだけどチェコで8万人集めてさ、公道でもないのに武装警察と衝突しちゃうんだぜ。
テクニバルは表向きは政治意識とかはうたっていないで音狂いのサウンドシステムが山に集まって一人一人がスピーカーに頭突っ込んでノー・オーガニゼイション/ノー・マネー システム/ノー・コマーシャルで踊りまくるんだよ。逆に政治意識を巧みに隠してるのかもしれないけど。デモとか物騒な言葉つけて公道で踊るよりも余程リスクがなくて音を楽しめるし、「身体と領域の奪還」を取り戻す効果的な方法だと思うけどね。その音を楽しむ快楽に釣られて8万の観衆が集まって政治に影響あたえちゃうんだもん。凄いことだよ。

TEKNIVAL.JPN!!!

日本では2006年8月20日山梨県の上日川ダム横で海外からWeasel BusterとCrystal Distortionというトライブと呼ばれるアンダーグラウンドテクノの中で名高い2人がゲストで初めて行われた。幸運にもオーガナイザーの人が拾ってくれて僕もDJとして回させてもらってガバとかブレイクコアとか電波ソングとかを撒き散らしてきたんですが。集客は500人ぐらいだったんだけど、トランス、レゲエ、テクノ、ハウス、様々な音楽が混ざり合って面白かった。今でもその記憶は鮮明に残ってるし、人生狂わされた感じもする。今年も夏にするみたいなので興味がある人は体験してみては・・・


↑TEKNIVAL.JPNの様子。ぴょんぴょん跳ねてるのが僕。マイクの音が悪いので単なるノイズに聞こえるが流されているのはブレイクコア

日本なりのやり方で・・・

LONDON UNDERGROUND
ロンドンでDJのbookingオフィスをしている日本人のねーさんへのインタビュー

日本の状況に対するdesiama delicaの質問に対して

ここ5年でイギリスのシーンは悪くなっていますが、日本はこれからだと思うんです。10年前にacid technoを持ってこようとしたときは完璧に早過ぎましたが、今年teknivalも行われて、少なからずも日本でのDIYカルチャーへの受け入れ方が変わってきていると思うんですよ。今からが日本のpartyシーンの発展になるのではないでしょうか??(と期待しています)

ただベースにあるものが違い過ぎるし、イギリス並みの政治的パワーはないかもしれないのでそう言った意味で勿論同じにはできない、日本なりのやり方で でもそういったスピリッツを理解してもらって 熱くなれる瞬間が私たち日本人にもあっていいと思います。
’熱くなるのが格好悪い’という時代が長かったですから。
だからこそ、どういう経緯でRaveが始まり、その根本に何があったのか少しでも知ってもらって Raveの根本にあるself-respect, self-policingということを理解してもらいたいですね。それに気が付いたら、この世界は住み良くなると思うんです。若い人達にいろんな事実(特に日本は何も知らせませんから、、)を知ってもらい気付いてもらいたいですね。これは私の理想論ですが、、、笑

サウンドデモもテクニバル.JPNも両方まだちゃんとした形には成っていないけれど「身体と領域の奪還」を日本なりのやり方で取り戻すチャンスなのかもしれない。