RIMO DJ

VJってのはDJと違ってある程度自分で作り出す部分つまり映像が無いところに無理やり映像を押し込む仕事つまり音楽で言うところの演奏者に近い存在なことが多いと思うんだけど、DJってのは「DJにとって必要なのは、機材の知識でもテクニックでもありません。どのように曲を選び、どうやって並べ、つないでいるか」沖野 修也 がDJ選曲術という本で書いたように、完全に作られた楽曲を前後の意味合いとイメージを繋ぎ合わせるのがメインであってVJのように音を作り出すのは演奏者しかいない訳です。他人によって作られた映像(音楽で言うならPV)繋げるのはじゃあ誰がやるのか。まぁ、それもVJの仕事だと思うんだけどそれをやる人をあまり見たことがない。やっているとしたら、僕の主宰のレーベルからリリースしたFOR-L*A*S*T-CHRISTMAS MASH UP!!!/imme_dch!kmoぐらいじゃないかな。タイトル通りMASH UPの側面もあるんだけど、VJが今までやってこなかった完全に他人が作った物を繋ぐということをやってのけたからオモシロイと思ってレーベルから出してくれってことになったわけです。
僕もそれをやりたいと思うんだけれども、フリーで良い動画編集ソフトがないしそうやるのもダルイ。そこで、都合がいい事にYOUTUBERIMOが出てくるんです。テレビ文化の影響か何故か音楽より映像がWEB上でフリーで見れる。そして、RIMOという複数の映像を集約する分かり易いフォーマットにユーザーが時間軸に合わせて映像をおける機能が出てきた。これはあまりみんな凄いと思っていないけど個人的にはVJが今までやってこなかったDJ的なことが出来るということで、画期的な事だと思うし、他人の映像を使うから勿論グレーゾーンなんだけどそのイリーガルな反面も面白いかなと思うんですよ。
そこで、時を同じくしてニコニコ動画によるMADブームもこのことをより面白くしていると思うんです。ニコニコ動画はリアルタイムで感想を手軽に打ち込むことによって、今までよりも映像を作る側と見る側の距離を縮めたわけで、つまり見る側の需要のない映像はYOUTUBEより明確に切り捨てられて沈み、需要のある面白い動画は浮き上がってくる。そこではより作り手のオナニーではないオモシロイ動画が作られるのです。MADは映像と音楽の関係性のある種のバグリ感覚を生みます。これは音楽で言うサンプリングと似ていて、わざと決まりを逸脱させてデータベースをハッキングすることの一環であってそれが映像とリンクしてより聴覚だけの感覚よりもを刺激的なものを作り出すと思うんですよ。
巨大なHDレコーダーであるYOUTUBEからRIMOを出力装置として正常なモノとマッド的なモノをまた混合させる。映像の関連性で繋ぐ、音楽の関連性で繋ぐ、その背景の関連性で繋ぐ。これこそ、今一番オモシロイWEB上のDJ的クリエイト行為である。と勝手に思い込んでやっている。
そのためにはRIMOは正直まだダメな部分も沢山ある。例えば読み込みの間に時間がかかるとか、一回構成を組んだユーザープログラムを変えることが面倒だとか・・・。はてながココまでの事を考えてるかは謎だがこれから改善していって欲しい。