Perfume -ダンスミュージックのきっかけとして-

連日連夜のPerfume論壇大盛り上がりで楽しい限りですね。奥深い所まで突っ込んでる記事が多くてしかも、アイドル、テクノがまず、はてダで論じられる事がなかったからね。
Perfume自体の何処がスゴイという問題は一まずおいて置いて、もっと広い範囲から見たPerfumeが成し遂げたであろう素晴らしい点というのが、彼女達が企んでいないにも関わらずどんな方法であれ多くの人をテクノ/ダンスミュージックに引き付けた事だと思う。
テクノポップアイドルであると自ら名乗ってしまった点と狙っているのかも知れないがディスコ/エレクトロ/コンピューターなどのダンスミュージックの言葉を仕込ませてくる巧みさ。そして、歌っている垢抜けない同年代の少女に僕は大いに釣られた。電気グルーヴ 以降テクノ/ダンスミュージックというレッテルを自ら貼り行動したメジャーアーティストはかなり少ない。Perfumeはアイドルであり自ら張ったのではなく貼られたのだが多くの人をテクノ/ダンスミュージックに引き付けた役割としては変わりないだろう。
Perfumeのメンバーは8月30日付けの朝日新聞でこう語った
　

「しゃべるように、冷たく突き放すように歌え、と言われ、よく分からなかった」と大本は振り返る。しかし、次第にテクノが楽しめるようになった。「洗脳されるような、気分がハイになって、どうでもよくなる感じが好き」と樫野。
テクノポップで「異空間」　３人組アイドル「パフューム」

　
本当は自らが思ったのではなく言わされている可能性が無い事も無いがこう言ってしまった事で彼女等はダンスミュージックの本質の伝道師となった。
そう大げさに言わなくても良いんだけどね。実際テクノなんてオリコンにものらないしテレビで耳にするのはニュースBGM位だし、クラブにも行けない若者がのめり込む要素がまるで無いわけ。僕の周りの純粋にテクノ/ハードコアテクノが好きな大人に話しを聞くと電気グルーヴから入ったとか言う人が多いんだよね。それほどメジャーシーンとテクノ／ダンスミュージックを繋いだ役割としては大きいと感じるわけ。僕もリアルタイムじゃないんだけど電気グルーヴのラジオを聴いて育ったしね。
僕と同年代の18歳ぐらいの人に聞くとやっぱりそれは音ゲーだったりする。そういうゲームをやってた人のが圧倒的にテクノ／ダンスミュージックに触れる機会があったからビートマニア等の音ゲーからテクノ／ダンスミュージックが好きになるって言うのは凄く分かる。一番影響を受けやすい時期にテクノ／ダンスミュージックに引き込むきっかけが、今は乏しいのでもっと多くなれば楽しくなるだろうな。ダンスミュージック全体の細分化で分け分からなくなってるという問題もあるんだけどね。
Perfumeを聞いた人が全員テクノ好きになるかと言えばそうでもないんだけどでもやっぱり何らかのきっかけにはなると思う。
逆にダンスミュージックカルチャーからアイドルカルチャーへ流れるという、物凄くややこししい方向へ行く人もいる。僕ですか?
一回ダンスミュージックの感覚を掴むと「ファンク〜ヒップホップ〜テクノ〜ドラムンベース」まで一気に今までとは違う音楽のおもしろさが広がると思う。ただ余りにダンスミュージック/テクノに深入りするのも怖いのでオススメはしません。例えば歌謡曲とかを聴いていても「ちょ！これさーアカペラ抜いてピッチ20上げて、サビの部分ループさせて、キック入れて、ブレイクビーツを鳴らしたらスゲーいけてるんじゃね？」とかそういう事しか考えられなくなります。心に響く曲も脳に響く曲も両方聞ける人が理想なのです。