V.A. ”i would die 4 u”

tomad2007-09-18

 1989年=平成元年以降に生まれたゆとり世代まっしぐらな人間を集め昭和生まれにアンチをとなえます。十把一絡げにゆとり呼ばわりの現状に憤りをかんじないこともないけれど単に馬鹿みたいに若さを取り柄としておっさんおばさんを煽ってもまったく意味もなく、ではそれならわたしたちはどうするのかというと、こうしてひとかたまりのクリエイティヴを武器にペシミスティックなジジィを一掃しよう、と思うのです。
(written by imme_dch!kmo)

僕もおんぼろトラックメーカーネーム「HTTP」で出させてもらった平成生まれ限定のコンピレーション。今、年号で括って音楽を集めるなら一番オモシロイのは大正だと思うがその次に平成はオモシロイ。ただこのコンピレーションが平成世代を代表してるのは聞いてもらえば分かるだろうが誤りであるし、むしろ逆なような気もする。明らかにこの平成世代はおかしい。
1曲目はマッシュアップビデオやらで御馴染のimme_dch!kmoのディープなダブステップだ。元々ダブステップというジャンルはイギリスのストリートで若者が始めたアンダーグラウンドなダンスミュージックだが、そんな事は余り関係なくて、それをイギリスと日本という距離を超えて自分の物として吐き出す事ができることが重要なのだ。2000年代から急速に普及したインターネット、平成生まれが物心付き始める13歳〜15歳の間にはもう既にP2Pも有ったし、ちょっと手を伸ばせば海外のサイトだって見れた、様々な音楽が探せばインターネットに溢れていた。そして、元年生まれが17歳の頃だろうか、Youtubeができた。遠く離れた国のライブ、30年前のPVから今週のオリコン1位までが見れる。限りない無料のアーカイブを駆使して、もはや世界中どの音楽から影響を受けてもなんら不思議ではないのだ。その傾向はSyem - Soft Window (imdkm edit)のヤンチャでオリジナルなブレイクビーツにも現れていたり、http - Break Break Beatsやdust.c - Music for the fantastic earthの世界同時多発的なブレイクコアという形の掴めない現象に影響うけた楽曲にも現れている。
そして、ibonne aka TOFUBEATS-KU-CHU-DANCE feat,2GALとLilac-Invincible Sentimentのポップなラップチューンは良く分からないこのコンピレーションで清涼剤な役割をしている。そういえば、僕がクラブミュージックというのを聞き始めたのも、小学生頃だろうかリップスライムの「one」という曲にはまり、その周辺のJRAPを漁ったのが始まりだった事を曲を聞いて思い出した。ちなみにibonne aka TOFUBEATSTOKYO FMリップスライムのラジオでトラック提供をしたらしい。やっぱりその頃のJRAPブームの影響を受けているのだろうか・・・。
完全に一人勝ちなのが原爆天皇-バンドやめろ!という曲。カッコイイ!!!一発取り、溢れる空気感。原爆天皇という名前、自らがバンドなのにバンドやめろ!という矛盾。ジャパノイズ直系というかそうでもないような、わけのわからない「ゆとりスカム」だ。原爆天皇とも繋がりのあるMOZZALERA PENISこと高校生レーベルウイルスレーベル(トイレで叫び合戦をしていたことがキッカケで始まったという・・・)社長ドクドクのノイズもこのコンピレーションをよりわけのわからない方向へ導いている。
このアルバムはMp3という形式でネットレーベルとして配信している事やメンバーのほとんどがメールやmixiやブログを見て、出会った事から見ても分かるように僕が思うにインターネットの力は大きかったと思う。手元に何も無くても本当に世界に発信したい奴はインターネットを使う、そして皆好き勝手に発信する。若いうちは手元に何も無い。肩書きも無い。権力も無い。だからインターネットを使う。そいつらを集めたのだからココまでわけのわからないものが出来たのも当たり前だ。上の世代から見るとわけの分からなさがゆとり世代と煽られる由縁なのかもしれない。煽られてもどうこうなるわけではないが、imme_dch!kmo(id:imdkm)が言う通り同じように煽りかえすよりも何か作り出してささやかな反抗をしたほうが素敵だ。