創作に関する散漫とした覚書

id:altaさんの21世紀創作メモが大変に興味深く刺激を受けている。はてダの中で3本指に入るほど面白い。そもそも創作という幅広いテーマについて語ったものというのをあまり知らない、例えば芸術についてはいくらでもあるし、また絵、音楽、文章、プログラミング、ダンス、演劇、映画、そういった様々な個別のテーマについては良くみる。今まで、芸術について語ったことがイコール創作について語ったことの役割を果たしてきたのかもしれないが、今現在そのような芸術についてと創作について語られたモノの様相はかけ離れているように思える。例えば初音ミクのイラストを2次創作したものをpixivにのせてみたり、文学フリマで小説をだしてみたり、好きなアニメのMADをつくってニコニコ動画にあげてみたり、ちょっとした絵を描いてWEBサイトに上げたり、ちょっとした音楽をDTMで作って小さいライブハウスで披露したり、たまたそんな小さい流れから大きな資本が絡んだタイアップや企画やアーティストが出てきたりする。そのように混沌とした時代の中で新しい創作をはじめる為に様々な問題を整理して、その道しるべとなってくれる考えをaltaさんは書いている。
僕もそうした創作についてのイメージを自分なりに考えてみた。
はじめから結論めいた事を言うと現在において創作は最終的には「固有名詞」を他の事柄と関連付けるかを操作して、1つの「関連付けの図」を作り出す事なのではないか。固有名詞とは例えば「浜崎あゆみ」「東方」「Google」「かみちゅ」「Aphex Twin」等など無数にある。関連付けとは例えば「Aphex Twin」-「Rephlex Records」-「戦車を買った」-「エレクトロニカ」といったように連鎖的に事柄をつなげていく事。イメージとしては1つの「固有名詞」を中心に関連する事柄が渦を巻くような感じである。何か創作をする人はその自分の頭の中にある関連付けの図を参照しながら、「固有名詞」に対して何らかの関連付けれるような操作や行動をするしかない。だがそこで注意すべきは、必ずしも自分の頭の中にある「関連付けの図」が他人においてはそれと一致するか分からないので、多くの人の注意をひきたいならば一致するような図を作り出していくしかない(反響を汲みしながら)。それでも、その差は埋まることはないだろうが、それが埋まってしまってはつまらない。加えて、他人の力によっても、残念ながら?創作者が作り出した「固有名詞」の渦の強さが変わったりもするだろう。
「関連付けの図」というのは別の言葉で言うならば「スタイル」もしくは「〜っぽさ」である。創作者は必ずどの「固有名詞」に関連付けを集約させるか、吟味しなくてはいけない。例えば絵を描くとする。その時、もし創作者が有名に(影響力が強く)なりたければその絵は「創作者の固有名詞」=「作者名」に集約させるように仕組めばいい。させたくなければ「作者名」との関連付けを完全に断ち切ればいい。絵を描くにしても創作者は1から描かなくても別にいい。他の「固有名詞」を利用するという手もある。例えば「小岩井よつば」の絵を描くといった2次創作。「小岩井よつば」に対しての他人の「関連付けの図」を利用して、うまい事それに当てはめる操作をして絵を描く、そうやって上手くいけば「作者名」の渦に巻き込めるかもしれない。2次創作だけじゃなくて、例えばどの場(ニコニコ動画Youtube、pixiv、美術館、ストリート、TV、ラジオ・・・)を使うなども含まれる。無理をして経済学の用語で言うならば「外部性」をどう利用するかみたいな・・・。「固有名詞」に対するフリーライダー・・・。
あまりに自分でも混乱してきたので、ちょっと視点を変える。今度はなんらかの創作物を受ける場合の視点から考える。例えば「嵐 - Beautiful days」(別に何でもいいがオリコン1位だったので例えとして使わせてもらった)のCDを買う。なぜこのCDを買ったのか、理由は色々あるだろう、媒体がCDだからといって音楽が良かったわけではないかもしれない、表のジャケットアートワークだってCDの重要な1部である、それが自分の好みだったから買うこともありえる、偶然TVに嵐が出てきたときの立ち振る舞いがかっこよかったからファンになってしまいその嵐の創作物の1部であるから買ったとか、まあとにかくいろんな要素があって買ったんだろう。いろいろあって「固有名詞」=「嵐 ‐ Beautiful days」(偶然にもそれが買えるモノであった)を買った。言いたいのはそれを買ったのが1つの要素ではなくて「いろいろ」な要素によってということだ。つまりはその人の考える「関連付けの図」であり「スタイル」と照らし合わせて買った。
ここまできて再び混乱する。無理やりこじつけたが買うというの事を考えるのはまた別の様々な問題が含まれそうだ。「固有名詞」の影響力が大きいからといって買うという行為には結びつかない気もする。創作と売買は別問題かも・・・。そこら辺の関係がまだわからない。今日はこの辺りで・・・。